DEVOAのBlock Check Jacquard Coat。
こんばんは。
本日の東京は晴れ。
余談ですが先日の水曜日は定休日でしたのでレタスの
定植を行っていました！
苗の状態ではこんなに小さいのですが
3月頃には収穫できるぐらい大きくなっていると思います。
農業もしかりファッションもそうですが季節の移り変わりを
感じることができるので新入荷商品が来るとワクワクしますね！
話は逸れましたが今回はDEVOAの
こちらのBlock Check Jacquard素材を使用したコートの
素材やディティール
などをご紹介させて頂きます。
素材としては Wool 70% Cotton 13% Cupra 10% Rayon 7%の比率。
チェックなので場所によってテクスチャの雰囲気が変わります。
さらっとした部分やほんのり起毛感がある
場所など非常に面白い素材です。
薄手なのでさらっと羽織ることができ春秋のアウターとして
非常に使いやすい素材です。
素材の製作は生地産地である日本の新潟で行われました。
あまり日本の生地の産地には皆様馴染みがないかと思いますが
新潟県は栃尾産地、見附産地という、
長岡エリアを中心として繊維産業が発展した歴史があります。
また、現在では寒い土地柄を活かしたニットの産地としても有名な
五泉市の生産量は日本一のようです。
この他にも織物では、塩沢紬、本塩沢、
小千谷縮、小千谷紬といった様々な伝統的な手法
で製作されたものが多く御座います。
栃尾・見附は2大産地と呼ばれ織物の産地で江戸時代後期から
明治時代初期には名産品としてすでに名が知られていました。
第二次世界大戦に入ると物資不足が原因で転業・廃業により
産地の規模が縮小されていきました。
その後、織物業者が横編機を導入し創業したことが、
現在までのニット産地になった発祥といわれています。
ニットブームと高度経済成長相まって生産数は拡大し
ニット製品を中心に、複合型産地として産業が発展した
と言われております。
ざっくりと産地について書かせて頂きましたが
実は他にも大火事や戦争などで幾度となく
産地が消滅しかけた歴史があります。
今では産地として有名になりましたが、
本日ご紹介した素材もそんな
歴史や職人たちの涙ぐましい思いや努力があったからこそ
ご紹介できると思うと感慨深いですね。
歴史についてはこれ以上書きますとかなり長くなって
しまいますのでご興味の御座います方は
是非お調べください。
話は戻ります。
画像の使用しているボタンはホーンボタン。
DEVOAでは定番的に使用しているものになります。
ホーンボタンというのは水牛の角から製作されたもので
もっとも古くから用いられた素材、高級ボタンとされています。
天然素材のため角の部位や元々の種類によって
微妙に色や柄が違いますので
一点ものと言っても差し支えないボタンだと思います。
画像を見ていただければ一点一点異なるのが
分かりやすいかと思います。
裏にも面白いディティールが隠されています。
前見返し部分は2重の仕立てになっております。
一番外側にオーガンシーのような透け感のある素材、
その素材と本体の素材にプリントが入ったふらし芯
というものが挟まれています。
全体でみると3層構造ですね。
ふらし芯とは生地にコシを与えるために使用する
副資材となります。
芯には熱で芯の糊を溶かし圧着する接着型と、糊なしの非接着型があります。
通常、非接着型がふらし芯と呼ばれております。
接着型の方が仕立てとしては作業しやすいのですが
圧着してしまうので素材本来の風合いが損なわれてしまう場合がります。
そのため今回の生地は柔らかさが特徴なので
DEVOAは素材本来の風合いを生かすふらし芯を使用したのだと思います。
透けて見えるプリントに関しては
ヴォイニッチ手稿と呼ばれる古文書からの引用となります。
ヴォイニッチ手稿とは世界最大の奇書と呼ばれています。
1912年にイタリアで発見され、未解読の文字や
多数の奇妙な絵が描かれていることが特徴です。
今まで多くの学者などが頭を悩ませ
100年以上経っても解明されなかったそうです。
2019年になって解読されてきたようです。。。
その古文書に書かれているものをプリントするなんて
中々遊び心がありますね！笑
私自身はヴォイニッチ手稿の話は知っていたのですが
柄を見ただけではさすがにわかりませんでした笑
このような世界的な歴史の謎ものは、男のロマンを感じさせます。
DEVOAもそういった意味合いでこのプリントを
したのかもしれませんね。
個人的にはこういった見せ方はかなり好きです。
誰かから「その柄なに？」と聞かれたら
説明したくなってしまいます。
今回はDEVOAのBlock Check Jacquard素材の
コートをご説明させて頂きました。
文章が長くなってしまいましたが
ご検討頂ければ幸いで御座います。
ご不明な点が御座いましたらお気軽に
お問い合わせくださいませ。
では失礼いたします。