No5. 設計図 (pattern)
こんばんは。ishikuraです。
本日の東京は晴れ。
関東周辺は紅葉の見頃かも知れないですね。
11月23日は勤労感謝の日。(GULLAMは水曜日が定休日なのでお休みを頂きます)
紅葉を見に行きましょう!!
気まぐれなBlogなので読んでくれている人は少ないと思いますが。
今日も熱を込めて書きたいと思います。
今日は設計図 (pattern)を軽くご紹介。(会員制のBlogならば深い話を辛口で出来るんだけど)
ファッション業界では設計図 いわゆる型紙をパターンと言う。
そのパターンを起こす職をパターンナーと言う。
ブランドの中で非常に重要な仕事です。
服に限らず、日常で身近にあるもの全てが設計の良し悪しで評価が決まっているような気がします。
建築、車、家電、家具、、、、今私の目の前にある水の入ったペットボトルも。。(持ちやすさ、飲みやすさの設計)
ファッションデザインにおいてのパターン (ウィキペディアから引用)
衣服(洋服)を作るとき、その型に合わせて布等の生地が裁断できるように、部分の形を切り抜いたものや部分の形を印刷した紙を、型紙(裁縫用型紙)またはパターンという。地の目等、裁断に必要な指示のほか、縫製指示に関する事項も記載され、例えばタックの位置とその倒す方向、ポケットをつける位置やボタンホールの位置及び長さ、ステッチなどの指示も記載される。また型紙には縫い代がつけられるが、全て同じ幅ではない。
過去の服飾関係の型紙は時代ごとの服飾の流行を知る資料となることから貴重なものとされる。
パターンを起こす職をパタンナーと言い、ファッションデザイナーのパートナー的役割の専門職である。
平面作図と立体裁断
型紙は平面である生地を縫い合わせて立体化するためのもので、その作り方には平面作図と立体裁断の2つがある。平面作図と立体裁断は、作図で立体のシルエットを想像しながらパターンを書く方法と、シルエットを視覚で確かめながら形を作り出すことの手法の違いである。
いずれの方法も出来上がった服の形はほぼ同じ構造(パターン)であり、シルエットも同じでなくてはならない。平面作図と立体裁断を併用して服作りをするのが最も理想的なパターン作成法といえる。
パターンの種類
ファーストパターン
デザイン画に基づいて最初に作るパターンで、展示会で使用する見本縫いに使用される。
工業用パターン
ファーストパターンを量産用に修正し、縫製方法に合わせて縫い代や合い印などを付けたパターン。
原型
洋服の作図の基礎となるもとの型で、普通は身頃の(トップ原型)のパターンをさす。原型には婦人原型、男子原型、子供原型があり、また服種別のシルエット原型も使われている。原型の条件としては作図が容易で、多くの人の体型に適合し、多くのシルエットに展開しやすいことである。
有り型
以前に使用したパターンのことで、企業でパターンメーキングする場合のほとんどが、この有り型からの展開により作成されている。
この様な仕事の流れを経て商品が完成されていきます。
(私も27,8年間この様なモノ作りに携わっていたので、非常に重点を置いている部分です)
GULLAMで取り扱わせて頂いているブランドでは
DEVOA. Leon Emanuel Blanck. ISAAC SELLAM等が
独自のパターン製作に拘りを強く持っているように感じます。(他のブランドも勿論拘りが強いですよ)
この画像はGULLAMがオープンした時にDEVOAのデザイナーからプレゼントして頂いたものです。
当時のDEVOAの袖パターンをLeatherで再現したオブジェですね。
(毎シーズン、パターン変化があるので現在のパターンとは異なります)
これを見てください。
DEVOAのパターンに直線が全く無いのです。(アップで見て下さい)
専門学校で教わるパターン(文◯式とか)と全く違うので専門学生は真似しないで下さいね。w
この線にはブランドの哲学とじっくりと考えられた拘りが入っています。
服になった時の見え方、可動域、素材との相性等を徹底的に考えて線が決まります。
通常のブランドですと、パターンのサイズ展開 (44,46,48 or 1, 2, 3,)(グレーディング)は
グレーディングルールが決まっていれば難しい作業ではありませんが。(CADでグレーディングする場合)
このパターンでグレーディングは至難の技です。(サイズ展開だけでも大変な作業です)
深い技術論を語りだしたら止まらなくなるので。。。(一度、温度を下げましょう)
今期のパンツの股ぐり〜太もも〜膝に掛けてのパターンワークも非常に拘りを感じます。
他のブランドとは違う、可動域が広いアナトミカルパターンへの執着心を感じます。
人は常に足を動かし、膝を曲げます。
細めのシルエットでストレスを感じません。
(パターンはブランドの財産なので細かく写しません)
素晴らしい仕事です。
そして、私も多数愛用のISAAC SELLAM.
今期のムートンの袖周りのパターンワークは素晴らしいですね。
見頃ムートン×袖Leather & Downでこの可動域!(写真では全くわかりませんけど)
袖下ぐりの袖底部分が脇見頃とが繋がっているので縦の動きにはストレスを感じにくくなっております。
袖のパターンとしては袖山より前袖、後ろ袖付け線に前後の動きが出るような設計。
そして、何よりも袖にダウンが入っているにも関わらず腕が細く長く見える設計です。
スタイルがよく見えて可動域が広い。
素晴らしい仕事です。
特殊なパターンと言えばLeon Emanuel Blanck.
彼のパターンはParisで初めて見た時に私は食いつきました。
当時、実際の素材(布や革)を使って作られたサンプルは5〜6点しか無かったかと思います。(シーチングで作られたオブジェみたいなサンプルがメイン)
Leonの哲学に興味を持ったので、私は彼に「次のシーズンに必ず買い付けるから、実際の素材でサンプルを作って欲しい」と伝えて
2014シーズンから取り扱わせて頂いております。
そんな感じの展示会ですから買い付けるバイヤーも世界で3店舗。。日本ではGULLAMのみ。。
今は海外を中心にかなり注目を集めるブランドになりました。
Leon Emanuel Blanck. の独創的な左右非対称のアナトミカルパターンは意味を持ったデザイン線として毎シーズン変化を加えながら
進化しております。
服選びには色々な要素があります。
デザイン、色、シルエット、素材、価格etc… (この優先順位がそれぞれの価値観)
人それぞれの価値観で良いと思います。
もし宜しければ。
デザイン線と設計の関係も服選びの要素に入れて頂ければ幸いです。
デザイナー、パタンナー、生産管理、、、
この3本の矢のバランスが「ブランド力」のような気がします。。
来年の1月後半に行われるParisの展示会。(2017AW)
素晴らしいブランドとの出会い、素晴らしい作品との出会いを(みなさんの価値観を刺激する)
今から楽しみにしております。
もう少し文章が上手く書ければ良いのですが。。 (誤字、脱字があるかも知れませんが、お許しを)
それでは。
失礼致します。