気持ちのこもった仕事。SUGINARI MORIMOTO.
こんばんは。
本日の東京は快晴。
桜の開花も間近といった感じです。
心地よい春を迎えたかったですが……
本日も多くの入荷が御座いました。
撮影なども早々に行いたいと思います。
続々と商品が入荷する中で、私がとても重要視している部分があります。
「商品の送り方」
入荷した商品を開封する時に、我々しか感じることの出来ない、
何かを感じる重要な作業だと私は考えております。
セレクトショップとしてはトレンドやコーディネイトの提案が一番重要かもしれませんが、
ダンボール箱を開けた時に感じるブランドの姿勢を非常に重要視しております。
(ほとんど開封作業を自身で行うようにしております)
各ブランドにその順位を点けるつもりはありませんが、Araki Yuuの商品梱包は本当に丁寧で商品への
想いを感じております。
今回入荷致しました。
SUGINARI MORIMOTO.にも同じような感覚を覚えております。
今回入荷した商品も個人購入をしており、数ヶ月前に特別に1足だけ送って頂きました。(Baby Calf leatherタイプ)
履いた瞬間に優しさに似た履き心地を感じました。(この表現が正しいかどうか。。。。)
私は靴が大好きで、GULLAMに来られた事のある方ならわかると思うのですが、
靴の多さはこの規模のセレクトショップとしてはかなり多いと思います。
(知識はあまり多く有りません。革靴が好きなのです)
そんな中でもこのSUGINARI MORIMOTO.の履き心地は本当に良いです。
(ただ、靴の履き心地は足の形にもよるので感じ方は変わるかも知れません)
職人としても探究心を感じるので今後が非常に楽しみなブランドです。
まだまだ、ブランドとしては認知度が低いですが、認知度とクオリティーは比例すると思っていないので
GULLAMでは先シーズンから力を入れており、ご購入を頂きましたお客様からも高評価を頂いております。
バイヤーとして本当に嬉しい瞬間ですね。
物作り出身だからこそ感じてしまうのかも知れません。
こんな良い仕事をしてくれるブランドや職人を伝えて行く事がGULLAMの大切な仕事です。
そして、今出来る事。
ウイルスの事に全く知識が無いので、手の消毒やうがいをひたすら行うしか無いですね。
*今回入荷した商品をご紹介致します。
SUGINARI MORIMOTO.
SGM-01. https://gullam.jp/shopping/130875.html
Lace Up Derby Shoes / Baby Calf leather.
Baby Calf leather 100%.
Water Dyed Black.
Hand Made in Japan.
<SUGINARI MORIMOTO>
私たちは、普遍的なデザインを追求し素朴でありながら「品」があること。
動物の生きた証である革に敬意を表し、手で革の感覚を感じ取って、素材の持つ魅力を最大限に引き出すことを
もっとも大事にしています。そして、全ての工程は人の手「hand made」によって仕上げられています。
普段は何気なく受け入れたり流したりしてしまうこの「hand made」と行った形容には、
目指す効用とそれを実現するために先人が長い月日をかけた不断の努力とその成果が宿っており、
それに敬意を評した靴を表現しています。
<素材>
アッパーに使われておりますレザーは、イタリア・トスカーナ州
ピサ県カステルフランコ・ディ・ソット(Castelfrando di Sotto)にあるイタリア有数の
名門タンナーの、ベジタブルタンニンレザーのベビーカーフになります。
本来はドレスシューズ用のレザーとなりますので、非常にキメも細かく繊維も詰まっており
エレガントな表情が特徴です。
下地はグレーカラーで素上げに近い状態になり、そのレザーを独自でブレンドした
水性染料にて手染めでブラックに染色しております。
その後、縫製されたアッパーを木型に釣り込む(革を立体的にする作業)前に、
洗いをかけて染料を落とし、あえてシワ加工を施してあります。
そうする事で、ドレスシューズ用だったエレガントなレザーにクラックのような
テクスチャを与え、上質なレザーシューズをあえてなにもケアせずに履き込んで
いったような肩肘張っていない力の抜けた雰囲気や空気感を演出しております。
<木型>
手作業でアッパーを吊り込むことで生まれるフォルムや足を入れた時のフィット感、
歩行の際の履き心地など全てに深く関わる重要な要素であるラストに関して、
ボリューム感のあるスクエアトウを採用しています。歩行をし易くする為に、
つま先を反り上げたローリング効果をラストに施してあります。
履き込む程につま先の反りあがりは下がってきて、足に馴染むよう設計してあります。
全体的な設計としては、足に寄り沿うフィッティングを追求する為に、足なりを
再現した立体的な丸みのあるフォルムを意識し、カカト周りも日本人に合わせた
小さめの作りで、ホールド感を重視しております。
「甲とカカトでホールドして、前足部はゆったり指が伸ばせるくらい」という
フィッティングを目指して作成しています。
<デザイン>
ベーシックデザインのダービーをよりミニマルに表現する為、縫製の箇所を極力排し
カカト周りも継ぎ目をなくしてシームレスに仕立ててあります。
ダービーの特長である羽根を小さめに設計し、また取り付ける位置を前の方にする事で、
履き口を浅くスッキリとした印象になるようにデザインしてあります。
視覚的にモダンに見せるために、新たな手法や法制方法にトライする一方で、
履き心地を決定する製作過程に関しては、オーセンティックな手法を維持しており、
それが、SUGINARI MORIMOTO の大きな魅力なのです。
アッパー(縫製された甲革)をラスト(靴型)に沿わせる[釣り込み]という作業を、
手で行う[手釣り]で行っております。
量産品の機械で行う釣り込みは、革を限界まで引き伸ばしてラストに沿わせるので、
革への負担も大きく、また革の伸び代がそこまで残されていないので、
履き込んでいった時の足馴染みが手釣りの靴と比べると決定的に違います。
手釣りの靴は、アッパーを立体的にラストに沿わせる為、ラストの中心に向かって
「つま先部」→「カカト部」→「土踏まず部」と順番に部分に分けて革の端を掴んで
作業を進めていくので、革に対する負担も少なく、人の手によって引っ張られた状態だと、
革の伸び代も十分残されており、それが履き込んでいった時の足馴染みにも大きく影響を及ぼします。
また、デザインで採用されているシームレスヒールも、手釣りでしか再現出来ないデザインですので、
ハンドメイドならではの意匠としての大きな特徴です。
普段は何気なく受け入れたり流したりしてしまう「hand made」と行った形容には、
目指す効用とそれを実現するために先人が長い月日をかけた不断の努力とその成果が
宿っていることに敬意を評した靴に仕上がっています。
<製法>
前足部:ブラックラピド製法 中足部:ウッドネイル製法
ブラックラピド製法はアッパーと中底革(インソールと解釈される部分)、そして
コバ部分のパーツとなる中板革(ミッドソール)をマッケイ縫いで縫い合わせた後、
本底革(アウトソール)のコバ部分にダシ縫い(アウトステッチ)を掛ける、
二度の縫い合わせが必要な製法です。
マッケイ製法の特長であるしなやかさを持ちながら、マッケイ製法のデメリットである
耐久性という問題点を解消する合理的な製法です。
必然的にダブルソールとなるので、歩行時の地面からの突き上げを緩和し易く、
歩きすさという機能面も優れた製法です。
Laceup Derby shoesではソールに重厚感を持たせる為、トリプルソールを採用しております。
そして、ソールの厚みがある分、ボリューム感が出過ぎないようにソールの
ウエスト部を削って絞り込んでおり、その部分には木釘を打ち込んで固定する
「ウッドネイル製法」にて仕上げております。
ウッドネイル製法とは、主に東欧の靴によく見られる意匠で、アウトソール側から
インソールに掛けて下穴を開け、そこに木釘を打ち込んでソールを固定する
堅牢で柔軟性に優れた製法です。
昔は、農夫が作業時に履く農作業用の古い靴の底付け方法でもよく見られた製法です。
恐らく農作業靴でウッドネイル製法が採用されていた主だった理由は、
糸でソールを縫いつけるよりも、木釘であれば田畑で作業をしていると、
木釘が水分を含んで膨張し、その事により下穴の中で釘が固定され、
ソールの接着をより強固にする目的があった為だと推察されます。
そうした、古い靴に対するオマージュと農作業靴に使われていた製法という
郷愁の思いから、部分的ではありますがウッドネイル製法を採用しております 。
<仕上げ>
ヒールも付いて完成した靴を、煮出した紅茶に漬け込みティーフィニッシュを
施しております。
最終仕上げには、独自で編み出したレシピを施す事で、SUGINARI MORIMOTOとして
唯一無二のシューズの雰囲気を表現しております。
<シューレース>
無地のコットンのシューレースを、革を染める同じ染料で手染めしております。
洗いざらしの仕上げとなりますので、生地感の風合いは出ておりますが、
その分色落ちする可能性があり、余分な染料は拭き取ってありますが、
水に濡れた場合はご注意ください。
<インソール>
中敷きにはブランドロゴと共にメッセージが 添えられています。
デザイナーのブランドに対する決意が示されていて、「強い意思が道を切り開く」
といった意味を持っています。
<付属>
ロウ引き加工された封筒にブランドの理念を綴ったconcept、attention、
シューホーンが同封されております。シューホーンは、革で製品として使われない
廃棄される部分を利用した、リサイクルシューホーンとなります。
革は、動物の生命の恩恵を授かり、人の手で製品として生まれ変わらせているので、
その資源を余す事なく使い切るのが、作り手として、かつて生きていた動物に対して
敬意を表す事だと考えております。
SUGINARI MORIMOTO.
SGM-01. https://gullam.jp/shopping/130893.html
Lace Up Derby Shoes / Smooth Nubuck leather.
Smooth Nubuck(Calf leather) 100%.
Black.
Hand Made in Japan.
<SUGINARI MORIMOTO>
私たちは、普遍的なデザインを追求し素朴でありながら「品」があること。
動物の生きた証である革に敬意を表し、手で革の感覚を感じ取って、素材の持つ魅力を最大限に引き出すことを
もっとも大事にしています。そして、全ての工程は人の手「hand made」によって仕上げられています。
普段は何気なく受け入れたり流したりしてしまうこの「hand made」と行った形容には、
目指す効用とそれを実現するために先人が長い月日をかけた不断の努力とその成果が宿っており、
それに敬意を評した靴を表現しています。
<素材>
アッパーには、イタリア・トスカーナ州にあるタンナーのベジタブルタンニンと
クロム鞣しのコンビによるヌバックレザー(革の表面を、サンドペーパーで粗した加工)を
使用しています。 革には十分なオイルが含まれていて、手に持つと
しっとりと吸い付くような質感をしており、多少の擦り傷であれば、乾いた布で
拭くだけで傷を隠せてしまいます 。
最終仕上げでペースト状のクリームを塗布し、表面の毛羽たちを抑えてスムースレザーの
ような仕上がりを施しておりますので履き込んでいく経年で生まれる表情が非常に楽しみな革です。
<木型>
手作業でアッパーを吊り込むことで生まれるフォルムや足を入れた時のフィット感、
歩行の際の履き心地など全てに深く関わる重要な要素であるラストに関して、
ボリューム感のあるスクエアトウを採用しています。歩行をし易くする為に、
つま先を反り上げたローリング効果をラストに施してあります。
履き込む程につま先の反りあがりは下がってきて、足に馴染むよう設計してあります。
全体的な設計としては、足に寄り沿うフィッティングを追求する為に、足なりを
再現した立体的な丸みのあるフォルムを意識し、カカト周りも日本人に合わせた
小さめの作りで、ホールド感を重視しております。
「甲とカカトでホールドして、前足部はゆったり指が伸ばせるくらい」という
フィッティングを目指して作成しています。
<デザイン>
ベーシックデザインのダービーをよりミニマルに表現する為、縫製の箇所を極力排し
カカト周りも継ぎ目をなくしてシームレスに仕立ててあります。
ダービーの特長である羽根を小さめに設計し、また取り付ける位置を前の方にする事で、
履き口を浅くスッキリとした印象になるようにデザインしてあります。
視覚的にモダンに見せるために、新たな手法や法制方法にトライする一方で、
履き心地を決定する製作過程に関しては、オーセンティックな手法を維持しており、
それが、SUGINARI MORIMOTO の大きな魅力なのです。
アッパー(縫製された甲革)をラスト(靴型)に沿わせる[釣り込み]という作業を、
手で行う[手釣り]で行っております。
量産品の機械で行う釣り込みは、革を限界まで引き伸ばしてラストに沿わせるので、
革への負担も大きく、また革の伸び代がそこまで残されていないので、
履き込んでいった時の足馴染みが手釣りの靴と比べると決定的に違います。
手釣りの靴は、アッパーを立体的にラストに沿わせる為、ラストの中心に向かって
「つま先部」→「カカト部」→「土踏まず部」と順番に部分に分けて革の端を掴んで
作業を進めていくので、革に対する負担も少なく、人の手によって引っ張られた状態だと、
革の伸び代も十分残されており、それが履き込んでいった時の足馴染みにも大きく影響を及ぼします。
また、デザインで採用されているシームレスヒールも、手釣りでしか再現出来ないデザインですので、
ハンドメイドならではの意匠としての大きな特徴です。
普段は何気なく受け入れたり流したりしてしまう「hand made」と行った形容には、
目指す効用とそれを実現するために先人が長い月日をかけた不断の努力とその成果が
宿っていることに敬意を評した靴に仕上がっています。
<製法>
前足部:ブラックラピド製法 中足部:ウッドネイル製法
ブラックラピド製法はアッパーと中底革(インソールと解釈される部分)、そして
コバ部分のパーツとなる中板革(ミッドソール)をマッケイ縫いで縫い合わせた後、
本底革(アウトソール)のコバ部分にダシ縫い(アウトステッチ)を掛ける、
二度の縫い合わせが必要な製法です。
マッケイ製法の特長であるしなやかさを持ちながら、マッケイ製法のデメリットである
耐久性という問題点を解消する合理的な製法です。
必然的にダブルソールとなるので、歩行時の地面からの突き上げを緩和し易く、
歩きすさという機能面も優れた製法です。
Laceup Derby shoesではソールに重厚感を持たせる為、トリプルソールを採用しております。
そして、ソールの厚みがある分、ボリューム感が出過ぎないようにソールの
ウエスト部を削って絞り込んでおり、その部分には木釘を打ち込んで固定する
「ウッドネイル製法」にて仕上げております。
ウッドネイル製法とは、主に東欧の靴によく見られる意匠で、アウトソール側から
インソールに掛けて下穴を開け、そこに木釘を打ち込んでソールを固定する
堅牢で柔軟性に優れた製法です。
昔は、農夫が作業時に履く農作業用の古い靴の底付け方法でもよく見られた製法です。
恐らく農作業靴でウッドネイル製法が採用されていた主だった理由は、
糸でソールを縫いつけるよりも、木釘であれば田畑で作業をしていると、
木釘が水分を含んで膨張し、その事により下穴の中で釘が固定され、
ソールの接着をより強固にする目的があった為だと推察されます。
そうした、古い靴に対するオマージュと農作業靴に使われていた製法という
郷愁の思いから、部分的ではありますがウッドネイル製法を採用しております 。
<仕上げ>
ヒールも付いて完成した靴を、煮出した紅茶に漬け込みティーフィニッシュを
施しております。
最終仕上げには、独自で編み出したレシピを施す事で、SUGINARI MORIMOTOとして
唯一無二のシューズの雰囲気を表現しております。
<シューレース>
無地のコットンのシューレースを、革を染める同じ染料で手染めしております。
洗いざらしの仕上げとなりますので、生地感の風合いは出ておりますが、
その分色落ちする可能性があり、余分な染料は拭き取ってありますが、
水に濡れた場合はご注意ください。
<インソール>
中敷きにはブランドロゴと共にメッセージが 添えられています。
デザイナーのブランドに対する決意が示されていて、「強い意思が道を切り開く」
といった意味を持っています。
<付属>
ロウ引き加工された封筒にブランドの理念を綴ったconcept、attention、
シューホーンが同封されております。シューホーンは、革で製品として使われない
廃棄される部分を利用した、リサイクルシューホーンとなります。
革は、動物の生命の恩恵を授かり、人の手で製品として生まれ変わらせているので、
その資源を余す事なく使い切るのが、作り手として、かつて生きていた動物に対して
敬意を表す事だと考えております。