ZIGGY CHENが入荷致しました。1
こんばんは。
本日の東京は晴れ。
台風が迫っているようですが
進行が遅いようで予報がまだ変わる可能性もあるとのことです。
今週は気が抜けませんね。
入荷してから、少し時間が経ってしまいましたが
ZIGGY CHENをご紹介させて頂きます。
まずはブランドの概要を簡単にご説明させて頂きます。
“ZIGGY CHENは独特なノスタルジックな雰囲気かつ、
どこか東洋的で深みのあるデザインが特徴なブランド。
ブランドにとってデザインとは縫製とパターン技術の進化である。
その高い技術を生み出す自社のアトリエはまさに研究所であり、
またジギー氏はその研究者と言える。”
そして今回のコレクションのテーマは「DECADENTIMENT」。
「デカダン」という言葉には必ずしも否定的な意味はない。
本質的にポジティブなものではないが、活力に欠けるものでもない。
這う蔓、苔、湿った煉瓦、雨に洗われて徐々に剥がれ落ちていく白壁のようなもので、
世界の片隅で静かにエネルギーを放出している。
モスグリーン、ディープライム、グレーブルー、そして赤を包含するこのイメージこそ
が、「DECADENTIMENT」のカラーパレットを形成している。
慌ただしく行き交う歩行者、強風になびくロングコートなど、
80年代の自由な雰囲気は今シーズンの重要なインスピレーションとなっている。
そこにZIGGY CHENのシグネチャーでもある軍服や東南アジアの少数民族などの
要素を取り入れた洋服は、複雑に仕立てられ、裁断され、
探求に値する形と数々のディテールを生み出している。
ZIGGY CHENはとてもコンセプチュアルなブランドですが
やはりその真髄は、オリジナルの素材開発と縫製の
ものづくりだと私は思っています。
今回は入荷した商品の中から2点を掘り下げてご紹介させて頂きます。
0M2430209. Henley Neck Heavy Jersey Pullover. ZIGGY CHEN.
https://gullam.jp/shopping/224215.html
まずはこちらのプルオーバー。
ZIGGYでこういったプルオーバーは珍しいかもしれません。
比較的シンプルですが、ZIGGYの良さがたっぷりと詰まっています。
素材はHeavy Jersey(度詰めのコットン)を使用。
Heavy Jerseyというのは生地の目を詰めた平織り(編み)のことで
ここではコットン素材を使用しています。
糸をある程度引っ張理ながらゆっくり編むことで
出来上がる素材です。
そのためコストもかかりますし、その分しっかりとした
非常にタフで圧倒的な存在感があります。
素材の中でも高級素材の部類に入ると思います。
型崩れしにくく綺麗なフォルムを継続してくれるの
長く着れるのもHeavy Jerseyの特徴です。
この素材、アップで見てみると単色でないことがわかります。
2色の染料で染めています。
ZIGGY独特の色合いです。
複数の色が混ざり合うことにより絶妙な色合いになり
更に奥行きが生まれ言葉では形容し難い色になります。
そのため、写真の色調整が難しく
何色か聞かれてもしっかりと答えることができない
厄介なブランドでもあります笑
ですがこの独特な色の表現こそが
ZIGGYたらしめるものだと思います。
さらに見ていただくとわかりますがこのプルオーバー、
かなりゆったりとしたサイズ感です。
そのため使用する生地の分量もかなり多くなります。
ただでさえコストのかかるHeavy Jerseyを
ふんだんに使っているんですね。
もはやアウターと言っていいかもしれません。(風も通しにくいので)
デザイン自体は至ってシンプルな
ヘンリーネックのプルオーバー。
ですがその圧倒的なボリュームから生み出されるシルエットは
強烈な印象を与えてくれます。
縫い代を表に出すことにより
インサイドアウト(裏返し)したようなデザインになっています。
ボタンの素材には最高級の水牛ボタンを使用。
背面は大きくカーブされたユニーク切替に。
他のアイテムでもあるのですが今回はこの
デザイン線を使っていることが多いです。
そもそもの生地の量が多いので
自然と縫う距離も長くなり時間もかかります。
特にここはカーブ部分なので本当に手間がかかりますし
はっきりと言ってめんどくさい工程です笑
でもZIGGYの服ってその大変さを感じないんですよね。
すごい自然に魅せているというか。
やはりそれは縫製技術が高いからこそそうなるんだと思います。
なので裏側を見てもめちゃくちゃ綺麗なんです。
袖口や裾周りのリブもえげつないですよね。
ステッチの本数も多いですし、縫う距離も長い。
リブは出来上がり縮まっていますが
実際の縫う距離はこれより長くなります。
どれだけ縫い糸を使うんだと笑
裏側にも拘りが詰まっています。
ブランドネームは毎回、デザインを変え
見る人を楽しませてくれます。
ネームのデザインを毎回変えているブランドは
他に見たことがありません。
ネック周りやリブの裏もよく見ると面白いんですよね。
Heavy Jerseyではなくここはソフトな別素材にしているんです。
首周りは直接肌に当たりやすい部分なので
ソフトなタッチにしているんだと思います。
リブは素材が縮んで固くなりすぎることを考慮して
素材を別にしているんだと思います。
地味な行為ですが、これって知識や経験がないと
意外とできないことなんですよ。
今更気づいたんですがZIGGYは必ずどの服にも
画像のパイピングに使っているストライプの生地を使っています。
これは必ずどの服にもあるのでZIGGYの拘りなんでしょうね。
個人的にすごい計算しているんだろうな
と思うのがポケットです。
わかりやすく表と裏に、赤い2本のラインを入れたんですが
その間にステッチがあるのがわかると思います。
これはポケットの袋布が動かないように
固定しているステッチです。
袋布を一周縫って完全に動かないように
すればいいんじゃないかと思いますよね?
ですがこのステッチは途中までしかありません。
これは私の勝手な見解なのですが
ドレープが魅力な服でもあるので
袋布を落ち着かせるために丸々一周縫ってしまうと
生地に張り、硬さが出てしまい
ZIGGYが思い描くドレープが出なかったのではないかと。
そのため、ポケとの袋布を固定でき
尚且つ美しいドレープを生み出せる
ステッチの距離がここまでだったのではないかと。
着用を見るとわかりやすいかもしれません。
画像だといい感じでドレープが出ています。
多分、これにポケット一周のステッチが入ってしまうと
その部分にハリが出てボコッとしてしまうと思うんですよね。
着用を見るとこのバランスが一番なんじゃないかと思いました。
後ろも独特なシルエットで1着でも非常に
映えるデザイン素材です。
動画でも着用を撮影しました。
0M2430726. Stand Collar Pocket Shirt. ZIGGY CHEN. 2024AW.
https://gullam.jp/shopping/224235.html
続いてはこちら、スタンドカラーシャツ。
このシャツも伝えたいことが盛りだくさんです。
まず見てわかるように襟のデザインがZIGGYらしいですね。
まずこのシャツ、シャツとは名ばかりの
ジャケットライクなシャツです。
スタンドカラーという名前ですが
襟の折り方でさまざまな着方が可能です。
折り方によってはジャケットのような感覚でも着ていただけます。
どうやって着ようか、そんな楽しみを
与えてくれるシャツです。
後ほど、着用でもご紹介いたします。
素材に細番手のリネンを使用したブロークンツイル。
(織物の一種で、綾組織を一定の間隔で反対方向にしている)
そのため綾織で起こりやすい”ねじれ”が起こらないのが特徴。
ねじれというのは簡単に言うと
着ていくうちに服が歪んでくるイメージです。
ブロークンツイルにすることにより綺麗なドレープ感も特徴となっています。
ZIGGY CHENと言えばポケットにしても
並々な拘りがあります。
左胸のポケットに関してはフラップがついて
ジャケットのような仕立て。
さらにポケットの形状はカーブしています。
フラップに関してはパイピングされたりなど
かなり手が混んでいます。
さらにポケット口の縁をよく見て頂くと
裏側の生地を1~2mmぐらい出してステッチで縫製しています。
もうめちゃめちゃ細かな仕事で脱帽です。
ディティールとしては小さい部分なのでスルーしがちですが
よく見ていくと凄さがわかりのがこのブランド。
なので店頭でもよく言うのですが
このブランドは見るたびに新しい発見があります。
裏からもポケットを撮影してみました。
まずデザインの形状が異なり、左右非対称ということがわかります。
縫い付けている高さまで異なります。
これはパターンを製作する段階から
手間がかかっているということになります。
左右対称なデザインでしたら半身だけパターンを
製作するというのが普通です。
ですが左右非対称の場合は全身を製作しなければいけません。
これはポケットだけが非対称なので
ポケット左右のパターンのみということになります。
でもそれだけでも仕事としては効率がすごく悪いんです。
でもZIGGYってそんな服ばっかりなんです笑
袖口の仕様も手が込んでいます。
カフスは少し長めのデザインで
ベルトがついている、しまいにはギャザー(赤マルの部分)まで入れている
もう、シャツひとつにどれだけ仕事をしているんだと。。。
ギャザーに関しては約4cm間ぐらいですからね笑
全体に入れるわけでもなく
わざわざちょこっと入れているんです。
プルオーバーの時に書きましたが
このシャツでは裏裾の始末に
ストライプの生地を使っていました。
必ずこの素材をどこかに使っていますので探してみてください。
さて、着用です。
まずはオープンの状態で。
大きめな襟がジャケットらしさを演出しています。
リネン素材なので羽織としてはちょうどいいと思います。
日本の気候にも使える時期が長そうです。
続いては襟を立てた状態。
商品名からするとおそらくこれが一番スタンダードな着方かと。
こちらは第一ボタンだけ外して襟を寝かせた状態。
襟の形状でとても雰囲気が変わりますよね。
ZIGGYの服はインパクトが強いものが多いですが
これはシンプルに着れる場面や気候が多そうなシャツだと思います。
こちらも動画があります。
ZIGGY CHENがいかに奥深いブランドか、
実際に店頭でもご覧頂ければと思います。
2着だけでしたがちょっと長くなってしまいましたね。
今回はここまでとさせて頂きます。
他の入荷している商品も次回にご紹介させて頂きます。
ご不明な点が御座いましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
Mail:https://gullam.jp/contact
Tel:03-6416-4700